モナムール

解離性同一性障害が、寛解するまでの独り言

私にとってのポーの詩

私がポーの詩集を手にしたのは、おおよそ二十歳の頃です。まだ精神病が悪化する前で入退院を繰り返していた前の、言うなれば、嵐の前の静けさの中に心揺らされていた時期。そう考えると、あの時期からこれだけの季節が過ぎ去ったのを振り返り、色々なことを思い出しては、その一つ一つに驚いてしまう。

私が彼の詩集を手にした瞬間に内心の深いところでは、星がふとした瞬間に現れ、輝き出し、そうして全体的に一つの星座として現れてくるようにさえ思えた。これを運命的とでもいうのだろうか。

どれだけ現実が泥沼に沈んでいくばかりであろうと、彼は愛する女性に夢と美を探し続けたように思う。

どれだけ救われたのだろう。ただ悪化していく精神病、崩れる人間関係、生活、色々。自殺未遂だって繰り返した。そんな中でも、いつだって私は空の星々に宝石を探していた。ひとりぼっちで寂しかった。孤独のなかの慰めは彼の詩集だ。入院中でさえも持ち込み、毎日のように読んでは、私を慰めてくれた。