記録-治療 夢飼より
苦しみの最中に死を願った。
胸が苦しくて吐きそうで助けを願った。
白い部屋に老人が現れ、語る。
「荒れ狂う海のなかの、奥深くに潜む隠れたイメージを見つけなされ。私よ。荒れ狂う海と、その根源が繋がるじゃろう。さすれば、荒れ狂う海は今一度、穏やかさを取り戻すじゃろう」
隠れたイメージとは、統合し得なかった私であり、私が抑圧した私でもある。
そうした抑圧された私はエネルギーを増し、自己の実現を図ろうとするのだと思うし、その結果、心的現象という形で暴れ狂う。
「隠れたイメージ(=抑圧された私の心的世界)」を心的現象に自ら潜り、汲み取り、私へと統合することこそ、私の治療法だ。
結果。
すぐに浮かんだ。
真っ黒な影の枯れ木、色の抜けた幼子。満点の星空。寂しい森。
ここは「隠れたイメージ」。
抑圧された私の心的世界であるのだと直感的に思う。
声を聞いた。
一人は嫌だ。
生きたくない。
死を願う。
繋がりが欲しい。
世界のあちらこちらから響く声を。
これを私は隠れたメッセージと呼ぶ。
手をとろうと試みる。
「私はあなた、あなたは私」
「一緒に歩こう」
「一緒に探そう」。
今、衝動が、苦しみが、穏やかになりつつある。
見つけるとは、すなわち、対話だ。
そうして語り合い、それだけで穏やかになる、統合していく試みに他ならない。
まだまだ全体の統合からはほど遠いが、一つの希望の星と、私の治療法を見つけた。
そうしたら眠くなった。
記録を残したくて、今、ぼんやりしながら書いている。では。