他者は異質な存在者
他者は異質な存在としてあり続ける。
例えるならば、空間にぽっかり空いてスペースがあって、ぼくはそこに入り込めない、そのような、どうしても弾かれてしまうスペースがあるわけです。
ぼくは感覚として、ぼくを中心に世界は広がり続けているような感覚があって、世界というのは無限に広がっており、どのような場所でも行けるという幻想を抱いた頃もありました。
しかし、それは間違いです。
そのような儚い万能感は他者によって破壊されてしまうのです。
つまり、どういうことかといいますと、ぼくには先ほどの書いた理由によって、ぼくにはたどり着けない場所はあって、そこは常に未知の沈黙であり、暗闇の中の暗黒大陸であるわけでして、だからこそ、ぼくからしたら、人間というのは、身近な生き物でありながらも、異質な存在者であるという、奇妙な生き物であって、ぼくと他者は一生分かり合えないだろうなと思うのと、一生怖い存在であり続けるのだろうなと思うのです。