2018-12-04 私の消失について 私の内界は、私が思い出し続ける、という第一運動によって、全ての歯車が回っているのだと、ある物語を読んだ記録を眺めながら思う。この運動が停止した瞬間から、果てのない世界は、虚無の沼の広がりによって無に帰していく。一瞬にではない。ある女の言うように、ちょうど、煙草の火を消しても煙が空に立ち昇るように、人々に少なからず観測されていた内界は、時間の経過と共に、徐々に、遠ざかるように消えていくのではないか。そうなると、大昔の偉人の記録は、内界の残骸で、まるで宇宙を漂う化石のようだ。