わたしとものは断絶されていた。
繋がらなかったものとものを繋げるのはさてなんだろう思う。
触って、触って、ふと、思った、触感ではないだろうか、と。
私たちは死ぬ間際まで世界に対して開かられている。
肌は風を感じる。
世界に奥行きを感じる。
触れたカーテンはざらざらしている。
世界に真っ白な紙は放り投げられ、世界に染められ、無限に、無数の星が、生じては消滅する生成の歴史。
独自性への歩み、
交わらない私と他者。
わたしともの。
それらが繋がる瞬間に境界は曖昧性を帯びて、わたしを、ものを、また違った何かへと変えていく。
その変化の運動こそ、神秘ではないだろうか。